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LOCAL NEWS · 世界のローカルニュース · 2026-07-31

17歳の女子選手が世界を制した——若き力が躍動するモンゴルの今

アゼルバイジャンで開催中のレスリングU17世界選手権で7月31日、モンゴルのボルドバータリン・アリウンズル選手が女子65キロ級で金メダルを獲得し、同カテゴリーでモンゴル史上初の王者となった。大相撲では横綱豊昇龍が怪我で夏巡業の休場を決め、現地ファンに衝撃が広がっている。環境面では「聖なる湖」フブスグル湖で301トンのゴミ回収が進む一方、私立校卒業生の海外大学進学ラッシュが注目を集めている。若者の躍動と環境保護、教育熱が高まるモンゴルの現在地を追った。

ローカルニュース中央アジア5本のローカル記事から

リード

7月31日朝のウランバートルでは、街を冷たい白い霧が包み込んでいた[4]。しかし日中にかけて都市部の気温は上がり、南東部のゴビ砂漠やダリガンガ平原では最高気温が32度から37度に達する猛暑となっている[4]。一方でアルタイ山脈やフブスグル地方などの山岳部では雨が降り、広い国土の中で厳しい気候が交錯している[4]。この気候と同じく、今週のモンゴルでは人々の熱気と関心が様々な分野で交錯した。国技であるモンゴル相撲の伝統を引き継ぐ格闘技界で新たな世界王者が誕生したかと思えば、日本の大相撲で活躍する横綱の休場に一喜一憂し、北部の聖なる湖では大規模な清掃活動に大勢のボランティアが汗を流している。激動の夏を迎えた現地から、暮らしとスポーツ、教育の「今」を伝える。

歳のアリウンズルが快挙、レスリングU17世界選手権でモンゴル初の金メダル

アゼルバイジャンの首都バクーで開催されている世界レスリング連合主催のU17世界選手権で7月31日、モンゴルスポーツ界の歴史に刻まれる勝利が生まれた[1]。女子65キロ級決勝に挑んだボルドバータリン・アリウンズル選手が、カザフスタンのアイシャ・アブディマリク選手を4対0で下し、金メダルを獲得した[1]。U17の年代でモンゴル人選手が世界王者になるのは史上初めてだ[1]。両者は以前に行われたU17アジア選手権でも対戦しており、その際はアリウンズル選手が11対2で勝利して銅メダルへの道を切り開いていた[1]。今大会でのアリウンズル選手の勝ち上がりは圧倒的だった。初戦でウクライナのイリナ・ブフティナ選手を5対0で破ると、準々決勝ではウズベキスタンのシャフゾダ・アジモワ選手に11対0と差をつけて圧勝[1]。準決勝でもベラルーシのパリナ・ブラヒネツ選手を7対1で退け、そのまま無敗で頂点まで駆け上がった[1]。この階級の銅メダルはモルドバのマргарита・リシツァ選手とベラルーシのブラヒネツ選手が獲得した[1]。大会ではウクライナが69ポイントで女子チームの首位に立ち、アメリカが67ポイント、日本が55ポイントで続いている[1]。モンゴルはアリウンズル選手が獲得した25ポイントを合わせて39ポイントとなり、国別順位で5位につけている[1]。17歳の若き王者の誕生に、現地のスポーツファンは大きな歓声を上げている。

横綱・豊昇龍が夏巡業を休場、右膝の痛みに揺れる相撲王国の視線

日本の大相撲で活躍するモンゴル出身力士のニュースは、現地でも常に高い関心を集めている。日本相撲協会理事会が7月30日に夏巡業の休場力士を発表し、横綱の豊昇龍智勝(本名・S.ビャンバスレン)がリストに含まれていることが明らかになった[2]。夏巡業は8月2日に岐阜市で開幕し、8月30日に東京で終了する予定だが、豊昇龍は全日程を休む[2]。豊昇龍は直前に行われた名古屋場所で、13日目を終えて7勝6敗という成績だったが、終盤の2日間を休場していた[2]。本人が「右膝に痛みを感じる」と訴えたためで、今回の夏巡業休場も同じ痛みが理由とされている[2]。怪我による休場はやむを得ないものの、本場所での巻き返しを期待するモンゴルのファンにとっては懸念の残る知らせとなった。今回の夏巡業では豊昇龍のほかにも、関脇の若隆景や欧勝馬(本名・P.デルゲルバヤル)、高安、翔猿、若野勝、獅司、朝紅龍、友風の合わせて9名の力士が怪我のために休場することが公表された[2]。厳しい稽古と土俵での闘いが続く大相撲の現場において、力士たちの身体にかかる負担の大きさを改めて示す形となっている。

聖なるフブスグル湖を守れ、1000人が挑む301トンのゴミ回収作戦

モンゴル北部、透明な水面と豊かな自然で「聖なる湖」と称されるフブスグル湖とその周辺で、大規模な清掃キャンペーンが進められている。環境・気候変動省の発表によると、フブスグル湖とエグ川の水域保護区沿いで6月22日から8月13日にかけて集中的な清掃活動が実施されており、これまでに合わせて301トンのゴミが回収・集積された[3]。活動の第1段階となった6月22日から29日にかけては、レンチンルフンベ、ハンハ、ハトガル、アラグ-エルデネ、チャンドマニ-ウンドゥル、テュネル、エルデネブルガン、ツァガーン-ウールという866平方キロメートルに及ぶ広大な地域が対象となった[3]。行政機関や非政府組織をはじめ、観光関連の企業100社以上、さらに地元住民やボランティアなど1,000人以上が参加[3]。現地に散乱していたペットボトルや生活廃棄物など213トンのゴミを拾い集め、集積・処理施設へと運んだ[3]。観光客の増加に伴い、湖周辺の環境保全は急務となっている。環境・気候変動省によれば、伝統的な国の祭祀を挟んだ後、8月3日から9日にかけてハンハとハトガルの両ソム(県下の行政区)で第3段階の清掃作業が予定されている[3]。美しい水辺の環境を次世代へ残そうと、地域社会が一丸となった取り組みが続いている。

平均3〜4校の海外大学に合格、多様性を掲げるインターナショナルスクールの挑戦

モンゴルの教育現場では、若者の海外志向の高まりとともに学校選びの基準が変化しつつある。首都ウランバートルにあるケンブリッジ・プログラム採用校「ジェット・インターナショナル・スクール」の卒業生が、1人あたり平均して海外の3〜4の大学から合格・入学許可を取得していることが調査で判明した[5]。同校のルーツは1995年に設立された「ジェット・スクール・オブ・イングリッシュ」という英語教育機関にある[5]。25年間にわたり英語指導のノウハウを蓄積してきた同校は、2019年に全日制の総合学校として新開校し、これまでに4組の12年生(日本の高校3年生に相当)を社会へと送り出してきた[5]。一般的に私立校の評価は試験の平均点や進学率といった数値で測られがちだが、同校は成績優秀な生徒だけを選抜して実績を作る方式を採っていない[5]。あらゆる能力や背景を持つ子どもに等しく学びの機会を提供する方針を掲げており、入学時点での学力差を受け入れた上で個々の能力を伸ばす指導を行っている[5]。英語力を強みとした実践的なカリキュラムが、海外進学を目指す生徒たちの確かな足がかりとなっている。

日本から見ると

レスリングでの若き王者の誕生や横綱豊昇龍の休場ニュースに触れると、日本とモンゴルの間にある格闘技を通じた深い結びつきを改めて感じる。格闘技だけでなく、環境保全や教育への関心の高さも両国に共通するテーマだ。特にフブスグル湖での301トンに及ぶゴミ拾い活動は、日本の富士山や琵琶湖周辺で行われているボランティア活動と重なるものがある。大自然を敬い、自らの手で美しさを保とうとする姿勢は国境を越えて共通している。一方で教育に目を向けると、モンゴルでは英語教育を軸にしたインターナショナルスクールが若者の海外進学の強力な推進力となっている。単に優秀な生徒を集めるのではなく、多様な子どもを受け入れながら海外大学への進路を開く試みは、少子化が進む日本の教育現場にとっても興味深い視点を提供している。厳しい自然環境と向き合いながら、伝統の継承と新しい世界への挑戦を続けるモンゴルの人々の姿が、これらのニュースから浮かび上がってくる。

出典

  1. [1]🇲🇳 モンゴルБолдбаатарын АРИУНЗУЛ өсвөрийн ДЭЛХИЙН АВАРГА болсон анхны монгол тамирчин боллооikon.mn
  2. [2]🇲🇳 モンゴルЁкозүна Хоошёорюү С.Бямбасүрэн зуны тэмцээнийг өнжинөikon.mn
  3. [3]🇲🇳 モンゴルХөвсгөл нуурын их цэвэрлэгээний аяны хүрээнд 301 тонн хог хаягдлыг төвлөрүүлжээikon.mn
  4. [4]🇲🇳 モンゴルӨнөөдөр говийн бүс нутгийн зүүн өмнөд хэсэг, Дарьгангын тал нутгаар +32...+37 градус хүрч халж байнаikon.mn
  5. [5]🇲🇳 モンゴルЖэт Олон Улсын сургуулийн төгсөгч бүр дунджаар гадаадын 3-4 их сургуульд тэнцэж элсэлтийн урилга авч байнаikon.mn