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LOCAL NEWS · 世界のローカルニュース · 2026-07-07

ATEEZ新曲に「Aidahar」の面影——国旗・出産・カザフ語が彩った7月のカザフスタン

韓国のK-POPグループATEEZが6月26日に公開した新曲「BAD」に対し、カザフのグループ「イリナ・カイラトヴナ」のヒット曲「Aidahar」との類似性を指摘する声がネット上で広がった。7月7日には、政府が国旗掲揚の角度や禁止事項を細かく定めた新規則を発表したほか、前日の首都の日に全土で448人の新生児が誕生。さらにユーロニュースが中央アジア初のカザフ語放送を開始した。デジタル上の音楽論争から国家の象徴、新しい命、そして言語の国際的承認まで、一週間のローカルニュースからカザフスタン社会の断片を伝える。

ローカルニュース中央アジア5本のローカル記事から検証中

リード

7月7日、首都アスタナの街角では、祝日「首都の日」を終えたばかりの市民のスマートフォンが、K-POPとカザフポップの意外な交差を知らせる通知で震えていた。韓国の人気グループATEEZが6月26日に公開した新曲「BAD」に対し、「カザフのグループ『イリナ・カイラトヴナ』の2024年発表のヒット曲『Aidahar』にそっくりだ」との指摘がSNS上で相次ぎ[1]、コメント欄はハングルとキリル文字の入り混じる議論の場と化した。同じ日、政府は国旗の使用ルールを改正し、バルコニーに掲揚する際の角度(45度)や禁止事項を細かく定めた[2]。一方で国立病院からは、前日7月6日に全国で448人の新生児が誕生したと発表され[3]、欧州の国際ニュース専門局ユーロニュースは、カザフ語での放送を中央アジア初の言語として開始した[4]。祝祭と日常が交錯するこの国の一週間を、ローカルニュースから拾い上げる。

「最初リミックスかと思った」――MV再生2300万回の裏で広がった“Aidahar”論争

ATEEZの新曲「BAD」は、6月26日にリリースされたミニアルバムのリード曲。7月7日時点でYouTubeの再生回数は約2300万回に達し、インスタグラムのフォロワー数は1120万人を超える彼らの人気を反映した数字だ[1]。ところが、公開直後から動画のコメント欄に異変が起きた。薄暗い画面に流れるパフォーマンス映像に重なるように、「イリナ・カイラトヴナの曲に聞こえる」「サビの『ベカベカベカ』がまさに彼らの『Aidahar』だ」「最初はリミックスかと思った」といった声が次々と打ち込まれ、液晶上をキリル文字のコメントが埋め尽くした[1]。実際、比較対象となった「Aidahar」は2024年6月7日に公開され、累計3億7400万回の再生を誇るカザフ国内屈指のヒット曲。今回の騒動について、ATEEZ側もイリナ・カイラトヴナ側も公式のコメントは出していない。なおATEEZは過去にも、2022年に楽曲「Say My Name」の振付をめぐって振付師から盗用を指摘されたことがある[1]

バルコニーでは45度、夜間照明は不要――政府が定めた国旗の新ルール

7月7日、カザフスタン政府は国家象徴の使用規則を更新し、国民が国旗を掲げる際の具体的な基準と禁止事項を明文化した。個人や法人が住居や非住居の建物に旗を掲揚することは認められ、バルコニーに設置する場合は水平から45度の角度を保つこと。一戸建て住宅では最低地上高3メートル以上とし、夜間の照明は義務ではない[2]。真夏の強い日差しを浴びて、青地に金色の太陽と羽ばたく鷲があざやかに映える光景が、街のあちこちで見られるようになりそうだ。一方で、国旗を衣服や寝具、カーテン、テーブルクロス、絨毯などに使うことは引き続き禁止。故意に傷つけたり、燃やしたり、地面に投げつけたりする行為も認められない。商業目的の使用も不可だが、スポーツ選手のユニフォームや用具への国旗プリントは今回の改正で正式に許可された[2]。政府の公式ウェブサイトやポスターでは、国旗、国章、国歌の順に並べることが定められている。

首都の日に誕生した448の命――トルキスタンで最多、双子の産声も

7月6日の首都の日、カザフスタン全土の医療施設で448人の新生児が誕生した。内訳は男児223人、女児225人。地域別ではトルキスタン州が67人と最も多く、アルマトイ市44人、シムケントとアルマトイ州が各40人。首都アスタナでは2組の双子が生まれた[3]。新生児室の柔らかな照明の下、24時間体制で母体と赤ちゃんを見守る医療スタッフの姿がある。出産に際して支給される国家手当は、2026年時点で第1子から第3子までが38MCI(月間計算指標)にあたる164,350テンゲ(約4万3千円)、第4子以降は63MCIの272,475テンゲ(約7万1千円)。双子や三つ子の場合は子ども一人ひとりに手当が支給される[3]。祝祭日と人生の始まりが重なったこの日、新生児と家族にとっては二重の記念日となった。

欧州に響くカザフ語――ユーロニュースが中央アジアで初の採用

7月7日、国際ニュース専門局ユーロニュースのペドロ・バルガス・ダビド会長がカシムジョマルト・トカエフ大統領と会談し、カザフ語放送の正式な開始を発表した。ユーロニュースが中央アジアの言語を採用するのは初めてで、トカエフ大統領は「カザフスタンと国際放送局との協力関係における一里塚だ」と歓迎した[4]。会談では、2024年にアスタナに開設した地域事務所を通じて、ユーロニュースがカザフスタンの政治・経済・文化、そして中央アジア全体の動向を欧州へ発信してきた実績も評価された。バルガス会長は、トカエフ大統領がブリュッセル公式訪問に先立ちユーロニュースに寄稿したEUとの戦略的パートナーシップに関する論説に対して、欧州の視聴者が好意的に受け止めたと伝え、両者の関係は長期戦略協力の新段階に入ったとの認識を示した[4]。放送開始に伴い、モニターに表示されるカザフ語のテロップとアナウンサーの声が、中央アジアの情報を直接欧州の家庭に届けるようになる。

日本から見ると

K-POPをめぐる類似性の指摘は、音楽が国境を越えて同時多発的に消費される時代ならではの現象だろう。日本でも楽曲の「パクリ」疑惑はたびたび話題になるが、今回はむしろ、カザフのアーティストが世界的なK-POPグループとの比較対象に挙がった事実が、中央アジアのポップシーンの成熟を感じさせる。国旗の取り扱いについては、日本では法律による細かな角度指定こそないが、敬意を払うという文化的共通点がある。一方で、首都の日に全国で400人超の新生児を祝うという統計発表は、祝日と家族制度が結びついた社会の一断面として興味深い。国際メディアが放送にカザフ語を採用した動きは、日本語の海外発信のあり方にも示唆を与える。多言語化が進むメディア環境のなかで、自国語が国際的なプラットフォーム上に公認されることの重みは、決して軽くはない。

出典

  1. [1]🇰🇿 カザフスタンFans notice similarity between new ATEEZ track and Irina Kairatovna's “Aidahar”tengrinews.kz
  2. [2]🇰🇿 カザフスタンWhat can and cannot be done with Kazakhstan’s flag — resolutiontengrinews.kz
  3. [3]🇰🇿 カザフスタンNearly 450 children born in Kazakhstan on Capital Daytengrinews.kz
  4. [4]🇰🇿 カザフスタンEuronews Makes Kazakh Its First Central Asian Languageastanatimes.com
  5. [5]🇰🇿 カザフスタンKazakhstanis will be able to exchange driver's licenses in the UAE without exams - Ministry of Internal Affairs explanationtengrinews.kz