リード
スマートホーム機器メーカーのZemiSmart(ゼミスマート)が展開する「Zigbee Smart IR Blaster(ZBCIR01)」と「Wi-Fi Matter ACコントローラー(ZMCIR01)」は、既存の家電製品をスマートホーム環境へ組み込むための赤外線リモコン機器だ[1]。2026年7月3日に発表されたこれらの製品は、買い替えを行わずに古いエアコンやテレビ、扇風機をApple Home、Google Home、Amazon Alexaなどの主要なプラットフォームから操作可能にする[1]。どちらのモデルも34.95ドルと手頃な価格に設定されているが、通信方式やシステム設計の違いによって使い勝手や必要な関連機器が異なっている[1][2]。
なぜ海外で話題か
ガジェットレビューサイトのthe-gadgeteer.comが2026年7月22日に報じた内容によると、ZemiSmartが7月3日に発売した赤外線コントロール端末は、Matter規格を活用して既存家電を安価にスマート化できる点から海外市場で関心を集めている[1]。MatterはApple、Amazon、Google、SamsungなどがConnectivity Standards Alliance(CSA)を通じて推進する統一規格であり、暗号化通信やローカル環境での応答速度を強みとしている[1]。従来の赤外線スマートリモコンは独自アプリや特定の音声アシスタントに依存する場面が多かったが、今回の製品はMatterを介することで多様なスマートホーム基盤へ統合できる[1][2]。1台34.95ドルという価格設定もあり、既存の窓型や壁掛け型エアコンをはじめとする生活家電をまとめてスマートホーム化する手段として複数メディアで取り上げられている[1][2]。
海外レビューが評価する点
海外メディアのレビューでは、設置環境や用途に応じた2通りの接続方式を選べる点が評価されている[1]。Wi-Fi接続型の「Wi-Fi Matter ACコントローラー(ZMCIR01)」について、smart-thermostat-guru.comおよびthe-gadgeteer.comは、専用ハブを用意することなくWi-Fiネットワークへ直接接続し、Matterエコシステムに参加できる点を利点として挙げている[1][2]。このモデルはプラットフォーム上で標準的なサーモスタット機器として認識されるため、窓型や壁掛け型のエアコンをApple HomeやGoogle Homeなどの画面から直接サーモスタットとして操作できる[1][2]。一方、Zigbee接続型の「Zigbee Smart IR Blaster(ZBCIR01)」は、すでにZigbeeネットワークを導入している環境に向けた設計を採用している[1]。ハブを経由してMatterブリッジとして機能するため、SmartThingsやHome Assistantなどのシステムへ柔軟に組み込める点をthe-gadgeteer.comは評価している[1]。高価格なスマート家電へ買い替えることなく古い機器を再利用できる点が評価につながっている[1]。
弱点・批判
評価の一方で、レビューでは明確な課題や制約も指摘されている[1]。the-gadgeteer.comによると、Zigbee接続のZBCIR01は単体ではMatterコントローラーと直接通信できないため、同社のM1、M1 Pro、M6といった専用Zigbeeハブが不可欠となる[1]。これによりブラスターからハブまでのZigbee通信と、ハブからプラットフォームまでのWi-Fi経由通信という2ステップの無線の経由が発生する[1]。ハブを所有していない場合は追加の購入費用がかかり、通信の経由が増えることで遅延のリスクが生じる[1]。また、Matter規格自体の制限による問題もある[1]。Matterの標準デバイス分類には一般的な「赤外線ブラスター」カテゴリが存在しないため、ブリッジ接続されたテレビや扇風機、チューナーといった機器がプラットフォーム側で正しく認識されなかったり、操作項目が制限されたりする限界があるとthe-gadgeteer.comは批判している[1]。また、ZMCIR01に関しては予約受付中で出荷時期が確定していない点も注意が必要だ[1]。
スペックと価格
製品の主要スペックと価格について、the-gadgeteer.comおよびsmart-thermostat-guru.comの報道に基づくデータは以下の通りである[1][2]。製品名称は「Zigbee Smart IR Blaster(型番:ZBCIR01)」と「Wi-Fi Matter ACコントローラー(型番:ZMCIR01)」の2種類で構成されている[1]。販売価格はどちらも34.95ドルである[1]。通信方式は、ZBCIR01がZigbee規格を使用し、ZMCIR01はIPv6ベースのMatterプロトコルを用いてWi-Fiへ直接接続する[1]。制御対象はエアコン、テレビ、扇風機などの赤外線受光部を持つ家電全般であり、ZMCIR01は標準サーモスタットプロファイルとして動作する[1][2]。対応するプラットフォームはApple Home、Google Home、Amazon Alexa、Samsung SmartThings、Homey、Home Assistantなど多岐にわたる[1][2]。ZBCIR01の利用には同社のM1、M1 Pro、M6といったZigbeeハブが必要となるが、ZMCIR01はハブ不要で動作する[1]。
日本で買えるか
日本での展開について、現時点で公式な国内販売ルートや技適マークの取得状況に関する情報は確認されていない。ZemiSmart直販サイトなどを通じた海外からの購入が主な入手経路となるが、購入時には配送日数やサポート体制に留意する必要がある。また、Wi-FiモデルやZigbeeモデルを日本国内で使用する際は、電波法に基づく技適(技術基準適合証明)の有無の確認が求められる。海外向け機器のため、国内での保証適用や電源・接続環境の適合についても事前確認が必要だ。現在、日本国内における本製品の情報や報道量は限られた状態にとどまっている。
誰に向くか
ZemiSmartのMatter対応赤外線コントローラーは、既存のエアコンやテレビを買い替えずに最新のApple HomeやGoogle Home環境へ組み込みたいスマートホーム愛好家に向いている[1][2]。特にハブを追加せずエアコンをサーモスタット化したい場合にはWi-Fiモデルが適している[1][2]。一方で、すでにSwitchBotやNature Remoといった日本国内向けに定着している赤外線スマートリモコンを所有しているユーザーや、専用ハブの管理や設定作業を避けたいユーザーには不要だ。既存の国内向け製品で自動化環境が整っている場合は、入れ替える必要性が薄い。
